AIに書かせて、プラットフォームで縛る ― EKSプラットフォームで実践した責任境界と権限設計
概要
Coding Agentの活用が当たり前になり、開発者は専門知識がなくても、開発時の認知負荷となっていたCI/CDやインフラの構築・運用まで自分たちで進められるようになりました。一方で、高速に何でも作れるようになったからこそ、自由に構築を進めると、セキュリティ設定の不備や場当たり的な運用が生まれ、組織全体の品質や信頼性が揺らぎかねません。安全な標準構成と統制の仕組みをプラットフォームとして提供しておけば、Coding Agentがどれだけ高速に変更を生み出しても、品質・信頼性を一定に保つことができます。これこそがAI時代にPlatform Engineeringを実践する価値だと考えています。 ログラスでは事業拡大に伴い、開発チームがセルフサービスでサービスを構築・運用できるよう、Platform Engineeringを推進し、EKSを基盤としたプラットフォームを整備してきました。運用開始から1年で5チーム・約20サービスまで展開し、開発者はCoding Agentとともに安全かつ高速にサービスを構築・運用し、プロダクト価値につながる開発へ集中できています。この状態を実現できた鍵は、SREと開発チームの責任境界を明確にし、役割に応じた権限を設計したことにあると考えています。 そこで本セッションでは、シングルクラスタ・マルチアカウント構成でArgo CD、Argo Workflows、HashiCorp VaultなどのOSSを組み合わせたEKSプラットフォームの全体像と、SRE・開発チームの責任境界を紹介したうえで、以下の2つの取り組みを実装レベルで解説します。 ・SREがHelmテンプレートを管理し、開発者とAIは公開されたValuesのみを変更できることで、意図しない設定変更を防ぐ仕組み ・GitHub Teamをもとに、各OSSやKubernetesの権限を設計し、リソース変更を適切に制御する仕組み Coding Agentはローカルで人間と同じ権限で実行されます。そのため、人間の権限設計がそのままAIへの統制となり、Coding Agentが意図しない操作を実行できない状態を実現しています。課題や今後の展望も紹介します。AI活用と統制の両立を目指すSREやプラットフォームエンジニアの参考になれば幸いです。
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スピーカー

株式会社ログラス 技術基盤部 クラウド基盤チーム SRE。 2022年に新卒でDMM.comに入社し、Platform Engineeringに取り組んだ後、2024年よりログラスに参画。 現在はログラスのPlatform Engineeringを牽引し、EKSを基盤とする共通プラットフォームの設計から運用までをリードしている。