AIエージェントを組織のゴールデンパスに載せる: tool-callからsyscallまでの多層ガードレール設計
概要
開発者がコーディングの大半をAIエージェントに委ねる時代、プラットフォームチームには新しい責務が生まれています。「エージェントに何をどこまでやらせるか」を、開発速度を殺さずに組織のゴールデンパスへ組み込むことです。しかし現状のガードレールは、システムプロンプトやIDE設定など「お願いベース」に偏りがちで、実行時に何が起きるかを構造的に保証できていません。 本セッションでは、AIコーディングエージェントに対する実行時ガバナンスを「多層」で設計する考え方を、実測データとともに示します。第一層はtool-call境界。falcosecurityが2026年に公開したPremptiを使い、エージェントの各ツールコールを実行直前にAllow/Deny/Askで評価する仕組みを、8つの検証シナリオ(機密パスアクセス、破壊的コマンド、pipe-to-shell、認証情報漏えい、プロンプトインジェクション、MCP汚染など)で実測しました。見えてきたのは、Write/Editは強く止められるがBashは宣言文字列止まり、MCPは入力側しか見えないという「カバレッジの非対称性」です。 tool-call層で漏れる副作用は、syscall層(Falco/eBPF)で初めて捕捉できます。本セッションはこの二層をどう役割分担させ、golden pathとしてどう配布・運用するかまでを、実装の手触りを含めて扱います。 持ち帰れるもの: エージェント向けガードレールを「お願い」から「強制」へ引き上げる設計指針、各層で何が守れて何が守れないかの正確なマップ、自組織で今日から検証を始めるための最小構成です。
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スピーカー

Sysdig でシニアCSEとして、Falco / eBPF / Kubernetesランタイムセキュリティを軸にエンタープライズの導入・運用を支援。OSSコントリビューターとして tfdrift-falco(イベント駆動のTerraform drift検知)などを開発し、SRE NEXT・OSS Summit-Korea 等で登壇。クラウドネイティブ防御をランタイムからAIエージェントまで一気通貫でつなぐことに取り組んでいる。